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機能的アプローチによる睡眠と呼吸の治療 -舌小帯・舌の機能と舌のスペース- 日時2025年4月27日(日)9:00〜17:00(開場8:30〜) 会場野村コンファレンスプラザ日本橋6F 大ホール

講師紹介PRESENTER

ソロシュ・ザギ医学博士

Dr.Soroush Zaghi, MD

ソロシュ・ザギ医学博士

耳鼻咽喉科専門医

The Breathe Institute, Los Angeles, CA, USA

バイオグラフィー

ソロシュ・ザギ博士はハーバード医科大学を卒業し、UCLAで耳鼻咽喉科・頭頸部外科のレジデンシー(専門医課程)を修了、その後スタンフォード大学で睡眠外科フェローシップを修了しました。彼の専門分野は、鼻閉、いびき、閉塞性小児成人の睡眠時無呼吸症候群の包括的治療に焦点を当てています。ザギ博士は、睡眠障害呼吸に関する臨床研究にも積極的に取り組んでおり、神経科学、頭頸部外科、睡眠障害呼吸の分野で97本以上の査読付き論文を発表しています。

ザギ博士はロサンゼルスのザ ブリーズ インスティテュートの医療ディレクターとして、子供から大人までの睡眠や呼吸に関する機能的かつ構造的な治療法を提供しています。特に、舌小帯や口腔筋機能不全が顎顔面の発達、上気道抵抗症候群、閉塞性睡眠時無呼吸にどのように影響を与えるかに強い関心を持っています。ザギ博士は、睡眠障害呼吸や舌小帯障害に関する招待講演者、著者、そして学術誌の査読者としても活動しています。

講演内容LECTURE

本セミナーでは、舌小帯(舌小帯短縮症)が発音、睡眠、呼吸にどのように影響を与えるかを説明します。口腔機能不全の「根本原因」モデルに焦点を当て、新しい診断方法と治療法について議論します。また、FAIREST-6ツールを紹介し、子供の睡眠障害呼吸のリスクを評価する方法を説明します。

講演のポイント

POINT01舌小帯とは?

舌小帯(舌小帯短縮症)は、舌の動きが制限される状態を指します。これにより、発話、呼吸、睡眠に問題が生じ、顔や顎の発達にも影響を与えることがあります。これらの問題の「根本原因」を特定することが、長期的な解決策の鍵となります。

POINT02舌小帯が健康に与える影響

舌が正しく動かないと、呼吸問題、いびき、睡眠障害、首の痛み、疲労などを引き起こすことがあります。これらの問題に「根本原因」からアプローチすることで、患者の健康を改善し、将来的な健康問題を予防できます。

POINT03FAIREST-6: 睡眠障害呼吸の赤信号

FAIREST-6は、子供の睡眠障害呼吸の6つの重要な警告サイン(赤信号)を認識するためのツールです。
このツールを使うことで、隠れた呼吸問題のリスクを早期に発見できます。

POINT04新しい舌小帯治療法

ザギ博士は、舌小帯を解放するための改良された外科手術(舌小帯形成術)を紹介します。この方法は痛みが少なく、舌の動きが向上します。舌と顔の筋肉のための機能療法(口腔筋機能療法)と組み合わせることで、呼吸や発話の改善が見られます。このアプローチは、口腔機能不全の「根本原因」に対処し、長期的な改善を目指します。

POINT05治療後の包括的ケア

治療後のリハビリは、長期的な成功にとって重要です。呼吸訓練、ボディセラピー、そして他の医療専門家との連携が必要です。「根本的なギア」(舌)を治療することで、他の体の部分(気道や筋肉)の機能も改善し、全体的な健康を向上させます。

NPD代表理事 井上敬介からのご挨拶

未来の歯科界を築くために

歯科医療は、想像以上に人々の生活の質や健康に深く関わる分野です。特に小児歯科は、子どもたちの将来の健やかな成長や発達、そして一生続く健康習慣に大きな影響を与える場面です。小児期に適切なケアを提供することが、その後の生活全般の質を向上させる基盤となり得ます。しかし、歯科医療は今、これまでの常識を超えた新たな時代を迎えつつあります。その中心に位置するのが、舌小帯(舌小帯短縮症)に対する理解と、その影響を見つめ直すアプローチの進化です。

今回、PHIJ代表である築山先生と宮本先生のご協力を得て、日本小児口腔発達学会が「舌小帯と機能的アプローチの未来」をテーマにした特別セミナーを企画しました。このセミナーでは、舌小帯が口腔機能だけでなく、呼吸や睡眠、そして全身の健康にまで深く関わっているという現代の知見を共有いたします。さらに、今回は世界的なトップランナーであるDr. Soroush Zaghiを特別講師としてお招きし、彼の知識と経験から、今後の歯科医療が目指すべき新たな道筋を学ぶ機会を提供いたします。私たち日本小児口腔発達学会は、このセミナーを通じて、歯科界の未来を共に切り拓く仲間を育て、新しい常識を構築していくことを目指しています。

舌小帯と全身の健康のつながり

舌小帯は、舌の動きを支える組織ですが、その影響は単に舌の動きや口腔機能に留まらないことがわかってきました。舌が適切に動かないことで鼻呼吸が妨げられ、結果的に呼吸機能に影響が及び、睡眠障害や全身の健康リスクに直結する可能性があるのです。このように、舌小帯に対するアプローチが単なる「構造的な矯正」に留まらず、「機能的な回復」を目指すという視点は、これまでの歯科医療にはなかったものです。新たな常識として確立するためにも、最新の知識と理解をもって臨むことが不可欠です。

新しい知見を学び、共有する意義

私たちはこれまで、歯科医療において舌小帯の役割を限定的に捉えがちでした。しかし、最新の知見では、舌小帯にアプローチすることが小児の成長、口腔機能、さらには呼吸・睡眠といった多方面に影響を与えることがわかっています。この理解を深めることは、歯科界に新たな可能性の扉を開き、子どもたちの健やかな成長を支えるための重要な鍵となるでしょう。本セミナーでは、舌小帯に関する知識を整理し、理解をさらに深め、歯科界の未来を担う皆様が実践に役立てられる知識を提供いたします。

学会発表を目指し共に成長する仲間作り

本セミナーは、単なる講義に留まるものではありません。参加される皆様と共に学び、研究し、新しい知見を発信する場として位置付けています。世界で活躍するDr. Zaghiと共に最新の舌小帯研究について学ぶことで、この知識を実際の臨床に活かし、歯科界全体に新たなスタンダードを築く仲間を育成することも目指しています。私たちが行う一つ一つの取り組みが、新しい常識を創り出し、やがて世界に誇れる日本の歯科医療の未来へとつながると信じています。

未来の歯科医療の基盤をともに築きましょう

これからの時代、歯科医療が担う役割はますます広がり、深まっていくことでしょう。口腔発達を支え、機能的な健康を提供するためのアプローチが今後さらに求められ、私たちは歯科界の新たな時代を切り拓く存在であるべきです。本セミナーで、皆様と共に学び、共に成長し、日本の歯科界を未来へと進めていくことを心から楽しみにしています。どうぞ奮ってご参加ください。

開催概要overview

日時
2025年4月27日(日)9:00〜17:00(開場:8:30〜)
会場
野村コンファレンスプラザ日本橋 6F 大ホール
会場HP
住所
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2丁目4−3
受講費
110,000円(税込)/1名あたり

昼食代込みの価格です。

定員
限定100

共同開催
一般社団法人 日本小児口腔発達学会(NPD)
Perio Health Institute Japan(PHIJ)
お申し込み方法
下記のお申し込みフォームより、必要事項をご記載の上お申し込みください。